利用しやすさの問題

弁護士という職業は広く知られており、一般市民の間でもほとんどの人がその存在を認識しています。理由としては弁護士がテレビや新聞といったメディアに登場することでその大まかな仕事の中身や、社会的な立ち位置などをなんとなくのうちに覚えているからです。

世間的には弁護士という存在は知られているものの、それぞれ各個人が実際に弁護士に頼り、対応を依頼する事は極めて少ない事例であると言えます。本来であれば、弁護士が関わったほうが良いとされる契約交渉や、民事紛争といった法律問題においれても、できるだけ弁護士には依頼せずに、話し合いなどの他の方法でまずは対応するということが一般的です。弁護士や裁判にや寄るのは「最後の手段」として捉えられる多いため、他にどうしようもなくなった場合に調停として、弁護士が介入するといったパターンが多くみられるのです。

実際に私達が「弁護士」と聞くと敷居が高く感じることも多くあります。

少し前まで、弁護士は宣伝や広告をするべきではないと考えられていました。これは職業の内容によるためで、法律事務所や弁護士の広告は法律により規制がなされていました。この規制は十数年前、2000年に撤廃されています。そのため撤廃後は電車やバスの車内広告や、新聞、電話帳のタウンページや、インターネットにおけるホームページの作成、ネット広告の掲出など多くの宣伝広告が行われるようになりました。

最近は法律事務所のホームページも増えており、普段の生活において法律問題などに悩んでしまった時にはインターネットで検索することにより、容易に弁護士を発見することができます。最近のホームページはスマートフォンにも対応しており、出先などからでも閲覧することが可能です。

弁護士に対する報酬はその名の通り弁護士報酬と呼ばれます。これはそれぞれの弁護士が定めるものであり、原則としては統一的であったり、客観的と言えるような基準が存在しないのが実情です。同じように専門家によるサービス提供をする医療というジャンルと比べても、医療における健康保険制度のような保険制度といったものはないこともあり、あまり共通した認識があるわけでもありません。

実際に個人で依頼する人にとっては、弁護士費用というのはとても高価なイメージになりがちです。

実際、個人の依頼者にとっては、その報酬(費用)は高額(例えば、タウンページの広告やインターネット上の法律事務所のHPでは、大体、30分あたり5000円という相談料金が多い。)とのイメージとなりがちであり、資金面での不安から依頼を躊躇する者も多いのが現状である。医療分野における公的保険制度の存在は、誰でも医療サービスを受ける可能性があり、かつ、受ける必要がある場合にはその資力に関わらず受けることができなければならない、という社会的コンセンサスが背景に存在する。

これに対して、法律サービスにおいて公的保険制度がないことは、法律サービスについては同様の社会的コンセンサスがないことが背景に存在する。
資力の乏しい者が弁護士の援助を受ける方法としては、日本司法支援センター(法テラス)による法律扶助の制度があり、「勝訴の見込みがないとはいえない」場合に、弁護士費用や裁判費用の援助が受けられる。ただし、法テラスの援助は適用基準が不明確であり、50音順に地域の弁護士を紹介するのみだったりして、援助は極めて例外的なケースに留まっている。

また、日本人または適法に在留する外国人に限られ、難民認定申請や在留特別許可の申請、不法滞在者の労働問題などは日本弁護士連合会が自主事業として援助を行っている。また、刑事事件では、被疑者となった場合に、1回に限り無料で弁護士の出動を依頼できる当番弁護士制度、無資力の被疑者のために弁護士費用を援助する被疑者弁護扶助制度、刑事被告人に資力がないときに裁判所が被告人のために弁護人を選任する国選弁護制度などの制度があり、また一定の重罪事件については、被疑者段階でも無資力の被疑者のために国選弁護人を付する被疑者国選弁護人制度が設けられているなど、各種の制度が整いつつある。

もっとも、当番弁護士制度は弁護士自身の負担で維持されている状況であり、国選弁護人に対する報酬が低廉であること、被疑者弁護扶助制度について十分に知られておらず、貧しいために被疑者段階で本来必要な弁護人の援助を受けられない者もおり、捜査機関から弁護人を選任しないよう被疑者や被疑者の家族に対して働き掛けがなされるなど、問題点も多い。

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